運動イメージ+筋電誘発電気刺激は皮質変化をさせるか?

Stroke. 2012 Sep;43(9):2506-9. Epub 2012 Jul 12.

Cortical changes after mental imagery training combined with electromyography-triggered electrical stimulation in patients with chronic stroke.

本日2本目論文。慢性期脳卒中患者さん14名に対して心的イメージ練習と筋電誘発型電気刺激(MIT-EMG)を組み合わせた練習を1回20分の治療を1日2回,週5回4週間実施してます。結果,MIT-EMG群においてFugl-Meyer上肢項目が有意に改善(平均29点→介入後7点変化)したと報告してます。MALやBarthel Indexは有意差なしでした。
当研究会の小嶌はミラーセラピー+筋電図誘発型電気刺激を実施しており,概ねポジティブな結果を報告しております。http://ci.nii.ac.jp/naid/40019327875 http://ci.nii.ac.jp/naid/10029929128 http://ci.nii.ac.jp/naid/40017271483
実施している内容のコンセプトはかなり似通っているのですが,細かい方法についてはつっこみどころ満載の論文です。コントロール群であるETMS実施群も全く変化していない所は他の研究と異なる点ですし,このデザインでは,ETMS単独よりもMITを付加した方がいいのか,MIT単独の効果でよかったのかが不明です。follow-upもなし。されど,PETで皮質変化を見ているという点でノイエスがあるのでしょう。しかし,contralesional motor–sensory cortexの代謝が増大したという点はやや疑問が残ります。どちらかというとこの治療のコンセプトからいくと,病巣側の賦活を狙ってると思うのですが,対側が賦活するようになったというのは,非病変半球からの出力が増大したということでしょうか?このあたりの考察はまったくされておりませんでしたが,半球間抑制メカニズムなどから考察するとん??と首をかしげてしまいます。しかし,STROKE・・・acceptまで約1か月半・・・何で(笑)。
当研究会からいずれSTROKEに論文が載る日を目指して・・・みなさん頑張りましょう!!