運動器疾患における抵抗運動のレビュー

Br J Sports Med. 2012 Aug;46(10):719-26. Epub 2011 Jul 26.

Resistance training in musculoskeletal rehabilitation: a systematic review.

運動器リハにおけるレジスタンストレーニングのレビューです。理学療法において物理療法と運動療法を併用することは非常に重要ですが,運動療法も同時にアップデートしていかないとせっかくの併用治療も意味ありません。というわけで,運動療法について最近の知見をおさらいすることにしました。レジスタンストレーニングは効果が高いことは明々白々ですが,理論的にはわかっていても現実臨床できちんとシステマティックにされているところは少ないのではないでしょうか?なかなか高齢や痛みがあったりで実施しにくいことも多いですが,通常のトレーニングよりも筋力,ADL,QOLへの効果が高いわけですから,やっぱり意識的に臨床に導入していかなくてはなりません。だいたい統一して使用している負荷量は1RMの60-80%です。80%以上は特に膝OA患者さんには痛みを増悪させたり,軟骨破壊を助長する可能性があるそうで,一方効果的であったという話もあります。
いずれにしても,また疾患によって最適なトレーニング方法,量,頻度,強度はまだまだ議論の余地があるとのことです。ちなみにciniiで変形性膝関節症で抵抗運動は0件,筋力強化,増強でも20件以下・・・さらに理学療法関連雑誌は2件,総説がほとんど。うーん,今日本の理学療法で実施されている筋力増強って効果出ているのでしょうか?というか筋力にきちんとアプローチできているんでしょうか?自然回復より有意に結果出ているのでしょうか?むしろ患者さんが自主トレでよくなっているのではないでしょうか?より筋力を高めるにはどうすればよいのでしょうか?今の方法で本当に満足なんでしょうか?私たちがしなくてはならないことは何なのでしょうか?
と自分に言い聞かせ,きちんと臨床に取り組み,臨床的問題点を発見していきたいと思います。