二分脊椎症に対する理学療法 電気刺激療法の可能性

本日は大阪の村上整形外科にお勤めの西川先生にお越しいただき,二分脊椎症の理学療法の紹介と研究計画を提示していただきました.私自身二分脊椎症のお子さんは担当させていただいたことがなかったため,(研究会のメンバーもほぼなし)非常に貴重なデータの提示に大変興味深くとても勉強になりました.

二分脊椎症では損傷レベルに応じて獲得できる機能予後がおおよそ決まってくるそうですが,成人の脊髄損傷患者さんとは異なり,乳児期,幼少期の発達過程や成長に合わせての理学療法が独特でまた異なった問題点があるそうです.この病院では700例以上の実績があり,まさに経験に基づく理学療法の神髄を見せていただきました.

二分脊椎症では腹臥位や四つ這いなど十分な発達過程を経験できないことがあるためか,下肢体幹機能の成熟に遅れをとる場合があり,また,継続した筋力強化練習も困難な場合が多く,思うように筋力低下が改善しないことがあるそうです.

そこで,電気刺激を有効活用できないかというご相談をうけました.海外ではいくつか報告がありますが,まだまだ効果は未知数で検討すべき課題は山積しております.

研究会でも十分検討し,皆様に有益な情報を提供できるよう少しずつ臨床応用を進めていけると幸いです.